【HOUSE】Love Calls Lovin' - Groove That Soul Mix - / GTS feat.傳田真央(2002)

 GTSはDJ GEE(浅川真次)、DJ TURBO、SATOSHI HIDAKA(日高智)から成るハウスDJユニット。1995年にChaka Khanのハウス・カバー「Through The Fire feat.Melodie Sexton」がクラブシーンで注目を集める。それ以降、カバー、オリジナル、リミックスを問わず数多くの作品を発表。米ビルボード誌クラブチャート上位に何度もランクインするなど、海外のクラブシーンでも高く評価されている。

 「Love Calls Lovin'」はR&Bをレパートリーの中心としていた女性ヴォーカリスト、傳田真央をフィーチャーしたGTSのオリジナル楽曲。7枚目のアルバム『POP+underground』にハウス・アレンジの「Groove That Soul Mix」、バラード・アレンジの「Slow Jam」の2バージョンで収録された。

 「Love Calls Lovin'」の制作は、最初に日高智がメロディーとバラード・アレンジのトラックを作り、傳田真央がそこに歌詞を乗せて歌ったトラックをハウス・リミックスする、という手法で行われた。こうした制作時のエピソードはリリース時のインタビューで次のように紹介されている。


―ただ、実際はバラードのオケで歌っているでしょ。GTSから歌のオファーが来るなら、普通はハウスのオケがくると思わなかった?

傳田真央「うん、そう。けど、バラードから作って、ハウス・リミックスも作って頂くスタイルも面白いなと思って。歌う時もハウスにリミックスされたら、ああしよう、こうしようとか、思ってましたね。普段バラードのためにバラードを歌うのは、ちょっとやりきれない部分があったりするんですよ、実は。やっぱり歌を歌ってると、どんどん気持ちが入って思いっきり熱く歌いたくなるじゃないですか。でもそこまでやったら重くなってしまうんだけど、ハウスになるからって考えたら、最後の転調も『じゃあ、やっちゃおう』ってなったり」

DJ GEE「そうだね、転調つけて、半音上げて盛り上がり感かとか高揚感が増すんじゃないか、っていうのは真央ちゃんのアイデアだね。結構凄いアイデアもらったな、って。こういうの最近はあんまりないもんね」

DJ TURBO「そうだね、クールな感じの曲が多いから」

DJ GEE「洋楽の80年代の王道だね。最後のサビがもうひと盛り上がりしたいなって時に半音上げて、ガっと盛り上がるみたいな」

―真央ちゃんの歌からも気持ち良さそうなヴァイブスが伝わってくるよね。

傳田真央「凄く自由にうたいましたね」

―曲をもらったときに、何を表現したいと思った?

傳田真央「最初に曲を聴かせてもらった時に、やっぱりラヴだなと思って。最近、ちょっとスピリチュアルな本とか読んでいる時期で、たまたま地雷撤去の活動してる時で、たまたま地雷撲滅活動に参加させてもらったりして、結構ピースな気持ちを唱歌(ママ)したいな、って思ってた時だったから、恋愛とかのラヴだけでなくて、ファミリーとか人類とか魂とか、大きな意味でのラブを書こうかなと思った」

DJ GEE「いい話ですね。メロディー(注:Melodie Sexton)と同じ発想ですよね。彼女も身近より、人間愛とかそういう事を考えて書いてる」

(出典:インタビュー・文 柾虎,2002,『POP+underground』CD付属ライナーノーツ,Avex Entertainment.)


Original Release Date

GTS

”POP+underground”

CD:AVCD-17074

avex trax,Avex Entertainment Inc.

2002.3.27



oto-hako Electro Dance Music Pavilion ♯001

【HOUSE】Love Calls Lovin' - Groove That Soul Mix - / GTS feat.傳田真央(2002)

Text & Edit by Kouki.S & Yuika.T